AIによる画像の自動生成「Midjourney」で写真素材を使ってみた

AIによる画像の自動生成「Midjourney」で写真素材を使ってみた

ぱくたそ運営管理人のすしぱくです。

AI画伯の成果物がみるみる拡散され「AIがやばい!AIがすげえ!」と界隈騒然となっていますね。海外ではAIの生成画像が美術品評会で1位を取るといった快挙で「AIに仕事が奪われるのは絵師やフォトグラファーだった」という文言を見かけると複雑な気持ちになります。感慨深いです。


さすがそぷさん。ちなみにここで言うAIは「人工知能」を指しております。

さて、ぱくたそのフォトグラファー「エリー」さんが『Midjourney』というAIによる画像自動生成サービスを使用した中二的画像生成を率先しております。とにかく美しく迫力のある画像が爆誕しているので見てください。


圧巻のクオリティでうっとりします。

エリーさんのように誰でも簡単に生成できるわけではないですが、これらの作品をゼロベースで生み出せるのは本当にすごいの一言しかありません。

第一線で情報を発信している深津さんがいう「呪術化するAI画像錬成」って言葉は天才的なキャッチだと思います。ほんと魔法です。

そんなわけで、我ら写真素材も影響をモロ受けし、AIの画像自動生成技術(サービス)の可能性を探ってみました。


AIによる画像の自動生成サービスとは


画像生成AIサービスはいくつかありますが、生成方法は下記2タイプが一般的です。

AIに特定のワード(以下、呪文)を伝える(以下、詠唱)ことで、呪文の内容に沿った画像を生成するタイプ

eisyou1.jpg


あらかじめ用意した画像(ラフスケッチしたものも含む)を指定し詠唱することで、元の画像を活かしつつ呪文に沿った画像が生成されるタイプです。

eisyou2.jpg


後者のタイプは、AIに画像を食わせるといった表現で使います。ちなみにイラスト生成AIの「mimic」というサービスは後者のタイプで、画像生成AIとはまた違った流れで話題となりました。

大ウケした「Midjourney」と炎上した「mimic」の大きな違い "イラスト生成AI"はどこに向かう?

画像生成AIについて、

代表的な画像生成AIサービスは、非営利団体「OpenAI」が開発した『DALL-E-2』(読み方:ダリツー)。オープンソースとして無償公開された描画AIの『Stable Diffusion』(読み方:ステーブル ディフュージョン)。Discordを使い様々なパターンの生成に優れた『Midjourney』(読み方:ミッドジャーニー)があります。

基本的にはどれも無料で利用できますが、サービスによって操作方法が難しかったり導入の敷居が高かったりするので、使用する環境を考慮して触ってみるのがいいと思います。

今回、画像生成方法のしやすさ、利用規約のわかりやすさで『Midjourney』を使ってみました。

PK012118.jpg

生成はDiscord上で呪文をチャットします。

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無料で使用している人たちがガンガン生成しているので見ているだけでも楽しいです。(Discordがチャットツールの域を超えすぎて驚きました。)


Midjourney のサービスと規約

Midjourneyは、無料プランと有料プラン(サブスクリプション)があります。

無料プランは、約25回分の生成が無料で利用できますが商用は不可です。また、生成した画像は一般公開され他の人が自由に再利用できます。(ただしSNSにあげたりするのは自由です)

有料プランは、Basic、Standard、Coporate、の3種類に分かれています。

PK020718.jpg

PK011218.jpg


Basic、Standardは個人利用するプランで、Coporateは年間総収入が100万ドル以上の企業が事業利用するプランです。有料プランにすることで、商用利用が可能となり、生成した画像や呪文を一般公開しない「プライベートモード」が利用できます。

Discord上のサポートでは、商用利用に関連する話題として「写真集にして販売したい」や「二次配布したい」といった議論がなされています。各国の法律に従って解釈がわかれそうなところではありますが、公式の見解は原則として利用可能であるとしています。このあたりは、Midjourne の公式Q&Aを読んだ上で

https://midjourney.gitbook.io/docs/

STORIA法律事務所の柿沼太一さんが書いた記事を参考にしてください。とてもわかり易く丁寧に説明されています。

Midjourney、Stable Diffusion、mimicなどの画像自動生成AIと著作権
https://storialaw.jp/blog/8820#3AI2


なお、商用利用を前提に個人的な観測としては、生成した画像や呪文等に配慮するのであればプライベートモードの契約は必須だと感じています。

写真素材をMidjourney に食わせてみた

ぱくたそでは、45,000枚超の写真素材を無料で配布しています。(すべてフォトグラファーが撮影したオリジナルのみです。)

自分が撮影した写真素材を「Midjourney」に食べさせたら、どのような画像が生成されるのか興味が湧き、先駆者である「エリー」さんに呪文を教わりながら画像生成にチャレンジしてみました。

※ 生成は「Midjourney」の有料プランにプライベートモードを契約して行っています。

まずは東京駅のド正面・広角の写真素材です。

東京駅丸の内駅前広場の夜景の写真

人通りが少ない時間帯にスローシャッターで撮影した記憶があります。この少し寂しげな写真素材を元に詠唱したのが下記のとおりです。

tokyo.png

tokyo2.png

東京駅風のハイカラな街並みにきれいな銀河と星空が映り込む画像が生まれました。画角も色合いも素敵ですね。写真では決して撮れない雰囲気と味のあるテイストはAIならではといった感じでしょうか

他にもエリーさんから教わった呪文で生成したものは、


エリーさんも触発されて写真素材から生成してくれました。


見事な情景に仕上がっています。

というわけで、写真素材を利用した画像生成AIの紹介でした。

AIで作り出した画像のクオリティの高さと非現実的な世界観の真新しさに魅了されつつ、クリエィティブの力に圧倒された感じでもあります。リアルな写真のよさ、AIが作った新しい世界観の画像、そういった区分で共存していく流れなのかもしれません。